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Summer Santa Claus
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  2001年 12月のゆんちゃんみなちゃん
ゆんちゃん13才 みなちゃん10才
 
  天才って呼んで
   

 冬も近づき、みなちゃんの日課(?)の算数ドリルも、なんとか半分過ぎまで進みました。この人のドリルは楽しいですよ。
図形の問題ページでは、なぜか図形が切り取られていたりします。図形を切り抜いて、折ったり、角度測ったりしているのです。反対に、ほかの紙で作った図形が貼ってあることもあります。
ドリルのあいているところには、サインの練習がしてあったり、「式はノートに美しく!」などと、わざわざ筆で書かれていたりします。
ときにドリルはヒステリーを起こして投げられたり、丸めて「バカバカ、みなちゃんのバカ」などと自分の頭をたたく道具にもなるようです。で、ドリルは厚みも増して、タウンページのようになっています。
  その日、みなちゃんがトイレに入ったすきに、みなちゃんの部屋を覗いてみると、開いたドリルの下から、マンガの本がでてきました。
トイレから帰ってきたみなちゃんは、少しもあわてず言いました。
「ママ、いいところに来てくれた。久々の大発明だから、ママを呼びに行こうと思ってたとこ。わたし天才かも」
「今はドリルの時間、マンガの時間でも、発明の時間でもありません」
冷ややかにわたしが答えます。すると、みなちゃんは、
「だから、マンガはお勉強のためなんだってば。読んでたんじゃないんだよ。ドリルを開いた真ん中のお山の部分は、なかなか上手に字がかけないでしょ。だから、表紙の下にマンガの本を入れるんだよ」
あら!
「ここからだよ。それからドリルを開くと左ページが書きやすい、ほら。それでも、ページの境のお山のところが、まだガタガタするでしょ。で、お山に沿って右ページに、そろばんを縦に置く」
  ほお!?
「すると、平らになるでしょ!?さらに、そろばんの上に右手を置くと…、」
なんと!
「そろばんの玉で滑ってエンピツ持つ手が上下に移動しやすく、サラサラと問題が解けるのですねえ」
なるほど!これはすごい!
と、テレビショッピングよろしく、つい褒めたたえそうになったわたしであります。でもねえ。
みなちゃんは天才かもしれないけれど、秀才にはなれそうもありません。