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Summer Santa Claus
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  2002年 7月のゆんちゃんみなちゃん
ゆんちゃん14才 みなちゃん11才
 
  ラムレーズン・アイスクリーム
   

 お菓子を買ってくると、数ヶ所に分けてしまいます。これはどうしてかと言えば、
『みなちゃんがあっという間にお菓子を食べ尽くしてしまうから』
です。
そういうお鼻にかけては、みなちゃんはA級、天才的嗅覚を持っています。あっちに隠せばあっちをみつけ、こっちに隠せばこっちをみつけ、お友だちが遊びにくれば、あっちもこっちもそっちも出しちゃう。・・・食べようと思ったときには、もう無いこともしばしばです。
  さて、今日は『30パーセント引』ということばに惹かれ、6個入りのアイスを2袋も買ってきちゃいました。
ただいま、と声かけると、みなちゃんはお出かけの模様。そこでまず、オレンジシャーベットの袋を冷凍室手前付近に配置。一応「お弁当コロッケ」の袋でブロックします。
それから、ラムレーズンアイスは、冷凍室の一番奥に、ひっそり配置。ひき肉、さばの切り身という食材を積み上げ、誰もがこのコーナーには手を伸ばしにくい雰囲気に。
ここでわたしは、ひらめきました。
「よし、この奥に隠したラムレーズンアイス、みーんな一人で食べちゃおうっと!」
いやあ、いつも食べ損なっていると、こんな大人気ない発想が飛び出してくるのですね。
そうだ!・・・ゆんちゃんにも、内緒にしちゃおうっと。
  その日から、ラムレーズンアイスを、さばの切り身の下から取り出しては、こっそり一人で食べました。こういうのってなんかおいしい。そして、こんな楽しみがあると、人間人生に余裕が出て、人にも優しくなれるもんです。わたしは、みなちゃんが、お菓子を漁っていても、見てみぬフリをきめこみました。
みなちゃんはオレンジシャーベットを食べ尽くし、ポテトチップスを開け、もずくを食べ、暑い時は、辛いものもうまいねえ、などとキムチをつまみ、とうとう食べるものがなくなると、納豆まで食べている。
でも、こちらは人生に余裕があるものだから、
「あら、みなちゃん、納豆のおやつなんてオシャレ」
なーんて、わけのわからないこと誉めたりしちゃって・・・。
  さて数日後、わたしがラストひとつのラムレーズンアイスを食している最中に、フイにみなちゃんが帰ってきました。こりゃ、まずい!
しかし、開き直ったわたしは、見せびらかして食べ続けます。
「ああ、たまに食べるアイスはおいしいわ、ホホ」
ところが、みなちゃんは通りすがりに一言いいました。
「ああ、それね、さばの下にあったのでしょ。好きじゃないから、ママにあげるね」
!?
悔しい。なんか、妙に悔しい!
オレンジシャーベットこそ、さばの切り身の下に隠しておくべきだったと、そのときやっと気がつきました。