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Summer Santa Claus
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  2003年 1月のゆんちゃんみなちゃん
ゆんちゃん15才 みなちゃん12才
 
  ほんとの優しさ
   

 

 いまだ体調不調のわたし。回数は減ったとはいえ、痛くなり始めるとどうしようもありません。背中から上の全ての骨がミシミシ音をたてているみたい。で、そうなると、もう何もかも放り出して寝てしまいます。仕方がないよ、ふん。
  このところ、わたしが横になると、メールにゲームし放題、お菓子食べ放題のみなちゃんでしたが、それにも飽きてしまったのか今日は寝ているわたしの傍にやってきました。
「ママ、シワよってるよン」
寝ているわたしの眉間を、コリコリと指でさすります。けれど、今日のわたしには戦う気力がありません。
「だって痛いんだもん、シクシク」
「痛くないときも、シワよってるよン」
みなちゃんは、わたしの眉間をコリコリとさすりながら、そろりそろりおフトンに入ってきました。いつもなら、鼻の穴にエンピツくらい突っ込んであげるところですが、今日のわたしにはそんな気力もありません。
「だって痛いんだってば、ベソベソ」
すると、みなちゃん、
「これ以上シワが深くなりませんように。これ以上シワが深くなりませんように」
小さな声でぶつぶつと念仏のように唱えながら、わたしの眉間をコリコリコリコリ…。
いつもなら『四の字固め』を避けられないであろうこの念仏が、今のわたしには、まるで、子守唄のように心地よく響きます。
コリコリもマッサージのように心地よく、わたしはいつしか夢の中へ。みなちゃんもその内、コリコリしながらわたしの横で寝てしまいました。 まあ、なんて平和なんでしょう。どうして、いつも戦いになっちゃっていたのかしら。               
でもその後、みなちゃんの部屋にフトン敷いて、ちゃんと寝なさいと、みなちゃんを部屋に連れ帰ってくれたのは、ゆんちゃんでした。わたしのおフトンには、湯たんぽを入れてくれてる。
「ほんっと、二人とも世話やけるんだから」
ゆんちゃんの声が夢の中で響いています。