◆一面の花
山道で迷ったあやは、山一面に花を咲かせた「花さき山」に迷い込みます。
そこに住む「やまんば」が花の由来を語ります。
花さき山に咲く花は、麓の人間が、やさしいことをすると、ひとつ咲く…とね。
◆子どもたちの心にも花ひとつ
小学校3年生に教室で読み聞かせをしました。
お礼に、と子どもたちから後日手紙をもらいました。
その中のひとつ。
「私は『花さき山』がとても好きになりました。
わたしはひとつよいことをしたので、
おともだちが、ゆんちゃんの花が、花さき山にさいたよ、
と いってくれました」
いい手紙でしょ?
手紙を書いた子の心の中にも、そう囁いてくれたお友だちの心の中にも、花さき山は広がっているのだな、と思います。
斜面一面に広がる、健気でいて、力強い花々がね。
(2001年8月掲載)