◆「しろいせんのうえ」をあるく!
子どものころを思い出して。
・・・学校の帰り道、どんなふうに帰りましたか?友だちとペチャクチャおしゃべり?それとも、本を読みながら?後ろ向きに歩いたり、電信柱までかばん持ち、なーんて遊びもしましたか?
それから、バイバイと、友だちと分かれたあとは?・・・脇目もふらず、走って帰る?
絵本『ぼくのかえりみち』の中の「そらくん」は、「きょうは この しろいせんの うえを あるいてかえろう」(本文抜粋)と、決心します。
歩道と車道を分けるために書かれた白線。
その上だけを歩いてこう、って決めるのです。
どうです?覚えがあるでしょう?。
どうでもいいのに、そう決めると足をふみはずしたら、深い谷底におっこちちゃうような気分になった子どものころ。
◆「しろいせんのうえ」を歩き続ける
「そらくん」も、困難に負けず(!)歩き続けます。工事中だったり、犬が座り込んでいたり、それでも、決して落ちないように落ちないように。
その「そらくん」の心境が、絵の中にもうまく描かれていて、見ている自分も「そらくん」になっちゃう!
さあ、家が見えた、ってところで、大きなの壁にぶつかった「そらくん」。
・・・さて、家に帰りつくことはできるのでしょうか?
◆子どものころを思い出して
わたしは石ころけりながら帰ったことがありましたね。
何気なくけり始めた石ころなのに、草むらに入ろうがドブに落とそうがどうにもやめられなくて、家についたころには宝物みたいになってた、そんなことを思い出しました。
◆男の子にはわかるんだ!
この絵本を、読ませていただきましたら、「男の子にはすごくこの気持ちわかるんだよ」と、一緒に聞いてた彼女に説明してくれた男性もいたりして、・・・そんなステキな絵本です。
「夏」ということばは、どこにも書かれていないのだけれど、空がね、雲がね、夏を伝えてくれるんです。
子どものころの夏が、ビューンと体に蘇ってくる絵本でもあるのです。
(2010年8月掲載)