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母さんの小さかったとき

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福音館書店
越智登代子 ぶん
ながたはるみ え 
 

◆絵本とは、少し趣が異なるかもしれません。
おかあさんの子どものころの生活や遊びを、綴った本です。
文章は子どもがおかあさんに質問したり、おかあさんが思い出しながら語っていく、という対話で進みますが、絵は、子ども時代のおかあさん、として描かれています。

絵を見ていると当時の暮らしぶりが手にとるようにわかるのです。

木造の校舎や、手回し式の洗濯機など、わたしよりはずいぶん先輩の子ども時代のようでありますが、子どものころ味わった、草の香や汗のにおいまで思い出すようで、なぜかとても懐かしい。

それはたぶん、夜中にいくお手洗いが怖い背中や、絶対離さないでとつないだ手など、どの時代にも共通する子どもたちの姿が、そこに描かれているからだと思います。
 
◆『父さんの小さかったとき』塩野米松 文・松岡達英 絵
この二冊、なんとも見事な対になっています。
『母さんが―』編は女性コンビ(!?)
『父さんが―』編は男性コンビ(!?)に、作られたわけですが、それぞれの作家が個性をちゃんと出していて、それでも、対になってる。

よくできた夫婦みたいです。(怒られる…かしら)

◆◆お正月、ひとりで暮らしている主人の母に会いに行きました◆◆
子どもたちもそれぞれに忙しく、遠くに住んでいるので、今回は家族を代表してわたしひとりで出かけました。

母はお煮しめを炊いてくれたり、さざえを焼いてくれたりしました。

お日様色に煮たキンカンや、お吸い物に浮かぶ手まりを型どった生麩など、『有り合わせ』と言いながら、わたしを待っていてくれたのが伝わってきて、とてもうれしかった。

そのお椀を握る母の爪が、桜色に光っていました。
丁寧に塗られたマニキュアです。
母は年の割には体も大きく、しっかりした手をしています。

年輪を重ね、皺が刻まれ、ゴツゴツとした母の手の先にある桜色を見たときに、大先輩である母を、ああ、かわいいなあ、と思いました。

主人の母に対してかわいいというのも失礼なようですが、でも、女性としてこうありたい、とちょっと思った。

ほら、わたしも年とっていくということに不安を感じ始めてますから。

お正月さんを迎えるということ、お客さんを迎えるということ(嫁だけど)、そして、もちろん自分の楽しみのために。

もてなす気持ちや、楽しみに待つ、という気持ちをその頬染めたような桜色から受け取ったように思います。

語らずとも伝え、語らずとも受け継ぎ、そして、また伝え…、続いていくもの。
(2005年6月)



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