◆美しい絵本です…つつましい絵本です
この絵本を手がけたのが、アメリカ人であると知ったとき、驚きよりも感謝の気持ちでいっぱいになりました。
わたしたちは時として、自分たちの失いかけた文化を、外国の方に教わることがあるように思います。
◆アレン・セイ
16歳で渡米するまで日本に暮らし、戦争で疎開するまでの6歳まで(「人生の最初の六年間」)を横浜で過ごします。
50歳から絵本創作に専念、『The Boy of the Three-Year Nap』で、コルデコット賞オナーに、『おじいさんの旅』で、コルデコット賞に。
(本書 作者紹介より)
◆紙しばい屋のおじいさん、何年ぶりかで元気を出して、紙芝居を乗せた自転車を走らせます。
けれど、町は様子を一変しています。
車は増え、高い建物が立ち並ぶ。
それでも、おじいさんは拍子木を取り出し、それをカチーンと打ち鳴らします。
『さあ、みなさん、こっちにいらっしゃーい!紙しばい屋さんがきましたよー!』
そこに集まってきたのは…。
わたしがとくに気に入っているのは、見返しの色と紙質。
とても深みある緑です。
日本を慈しんでいらっしゃる作者の姿が浮かぶ色合いです。
(2007年9月掲載)
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