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ジローとぼく

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偕成社
大島妙子 作
 
 

◆温かい眼差し
大島妙子さんの絵って本当にあたたかい。
子どもを百人描いたら、その後ろにちゃんと百の家族が見えてきます。

今回はその大島さんが犬を描きました。もう、この犬ったら下手な人間以上に人間みたいで、それでいて、やっぱりちゃんと犬なんだから嫌になってしまいます。
犬の「ジロー」は大きくなったので、庭に犬小屋を作ってもらいます。それまで毎晩、一緒に寝ていた「ぼく」が、最初の晩だけ犬小屋でジローと寝ると、翌朝二人(?)は入れ替わっている。『ぼくがジローで、ジローがぼくに』。

◆ぼくとジローの会話
このお話を通して「ぼく」と「ジロー」の間には、もちろん会話はありません。でも、そこにことばが見えてきてしまうのはどうしてかしら。

通じ合ってるって、そういうことなのかもしれません。

◆娘に読んで
本を買ったときにうれしくて、オフトンに入って娘に読んであげました。

読み終えると娘が一言、
「Ca美に会いたくなっちゃった」部屋のドアを開けて、入口で待っていたCa美を抱きしめ、毛布でくるんでグルグル巻きに。

Ca美もこの愛情に答えようともがきつつも、舌出して、二人(?)は見つめ合い、一緒のオフトンで丸くなりました。
(2002年8月掲載)




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