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そらとぶパン

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PHP研究所
深見春夫 作 PHP研究所
 
 

◆こーんなに絵本らしい絵本があるかしら
子どもの夢を乗せて、フワフワと舞い上がって、
冒険に連れ出してくれて、おなかをいっぱいにしてくれて、
それから、現実の世界にちゃんと着地させてくれる…

そんな絵本です。

◆パンの列車に乗った子どもたち
空にフワリと舞い上がると、大きな雲に入っていきます。
そこはパンの国でした。
…子どもたちがあったらいいなあ、と想像する種がいっぱい散りばめられてる絵本です。

ヘタをすると甘くなってしまいがちな素材ですが、なぜか甘くない。

読んでいる子どもも、大人たちだって、ちゃんとお話の中でゆったり遊べるのです。

どうしてだろう?
丁寧にリアルに、パンの国の世界で深見春夫さんご自身が遊ばれているからかもしれません。

◆◆空とぶ雲◆◆
小学生のころ住んでいたのは、どこもかしこも坂だらけの街、大倉山です。
5年生の帰り道、仲良しだったれみちゃんがいいました。
「ようこちゃん、道路に寝転んで空を見ると気持ちいいよ」
ええ!?車にひかれちゃうよ。と、驚くわたしをよそに、れみちゃんは、ちょっと見張っててね、と頭を下に、足を山にむけて仰向けに寝転びました。

赤いランドセル背負ったままエビ反りになって…。
いくらノドカだったとはいえ、車も通るし、人も通る。
おまけにスカートペロリとまくれあがった小学校5年生は、ちょっ困るでしょ。
でも、れみちゃんはお構いなし。ほら、きょうの雲!はやいよ。指さしています。
「今度、ようこちゃんの番ね」
お断りの下手なわたしは、ちゃんと見張ってるからね、の彼女のことばに押されるようにして、ごろり寝転がったのでした。
「ようこちゃん、反対。頭が下の方がおもしろいの」
ここでも、彼女のことばに逆らえず、頭下にして再び寝転びました。

雲っていうのはねえ、永遠に泳いでいるものだったんだなぁ。
妙に安定感がなく、血がのぼった頭で空見上げたからそう感じたのか、まるで、自分もフワリフワリと漂っているような感覚になったのを覚えています。
ずーんと大きな雲に引きこまれていくような感じ。 へえ!
でもそのあと、車のクラクションで跳ね起きたわたしは、れみちゃんが見張ってなんかいなくって、わたしの横に寝転んでいたのに気づき、唖然としたのでした。
ンもう、れみちゃん!!
まだまだ、ノドカだった時代の話。
(2007年8月掲載)




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