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たまごをどうぞ

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佼成出版社
五味太郎 さく
 
 

◆どんなにおいしいの?
おじいさんとおばあさんは、ちょっと変わったひよこを飼っています。
このひよこがにわとりになって、
にわとりがたまごを産んで、
そのたまごで作ったオムレツのおいしさを、
『このぐらい!』と、絵にしてしまっているのです。

◆果てしない想像力
子どもっていうのは、果てしない想像力を持っています。
一言で「おいしい」といっても、頭に描くおいしさはみんな違っているわけです。
そこが、楽しい。
だから、「このぐらいおいしい」って、普通は絵にしない部分です。
おいしさを限定しちゃうことになり兼ねない。
でもね、五味太郎さんはそこを絵にしちゃいました。
そしてね、この頁をめくると、子どもたちは、
「うわーっ、すっげぇー!」って、叫びます。
期待を裏切らずに、しかも、自分たちの想像を限定することもなく、心から「おいしそー」と、感じる絵が、そこにあるからなのでしょう。

◆◆肉だんごブルース◆◆
ズズンチャズンチャ肉団子ブルース。という歌があったかどうかは定かではありませんが、おもわずブルースにして歌ってみたくなるくらい、小さいころ肉団子が大好きでした。
いつも、入れ替わり誰かが泊まりにきているような家だったからか、もしや、よもや、わたしがそれだけの数をお腹に収めてしまうのか、肉団子というと、とにかくたくさんのお肉の団子を母はいつも午前中に揚げていました。
夜になってから酢豚のようにアンに絡めていただいたのでしょう。
けれども、わたしの記憶の中には酢豚はまったくない、午前中に揚げる肉団子のみ、そのにおいまでくっきり残っているのです。
よく練り込まれたお肉たっぷりの具が、ゴルフボールほどの大きさにクルクルクルと丸められ、床に敷かれた新聞紙の上に並べられていきます。
白い粉をつけて、もう一度新聞紙の上へ、それからいよいよ揚げ始めます。
新聞紙を床に広げて、熱々の肉団子が延々と縦に横に行儀良く並んでいく様は、なんとも豪快で、やっぱり肉団子ブルースを歌わずにはいられない気分(?)になるのでした。
母が台所を離れる度に、おいしそうなところをひとつ、またひとつ、口の中に放り込みます。
摘み食いがみつからないようにコロコロと転がしては、肉団子の行列を整え直して… 。
ああ、この新聞紙はいったいどこまで続くんだろう、テーブルもイスもどかせて、部屋中、肉団子の行列ができたらどんなにいいだろうと、お日さまでポカポカと暖まった床に這いつくばって、熱々の肉団子を頬張りつつ、わたしは真剣に考えたものでした。

ところで、この肉団子のおいしさってどのくらいだったか想像できます?
やはり、筆では書き尽くせない。非力だなあと思います。
それを「えにかけば このぐらいの おいしさ!」って、すんなり絵にしてしまったのが、五味太郎さんです。
(2001年10月掲載)


 

 

 

 

 

 

 

 

 



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